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無数に存在する世界
自分の守るモノを守る為に命を賭けた仮面の戦士達がそこにはいた……
「だがその仮定で失われた魂はどこへ行く?生まれ変わるか、同じ一生を繰り返すか、天国地獄へ選別されるか、それとも……永遠の無か?」
ここもまた無数の世界の一つ
どこまでも白い広々とした一室で玉座と言われても納得出来るような煌びやかな椅子に腰を下ろしワインを口にふくむ男が1人。
彼を囲むように置かれていたのは12の棺。
どれも既に扉は失われており、無論中には誰も、何も存在しない。
「もはや誰にも止められん、かつての英雄なら尚更……だが、それを知りお前は尚も抵抗をするのか?私に楯突くのか……?」
男が強く目を瞑り回想するのは1人の女性の姿……純白の羽衣のような衣装を纏う彼女は真っ直ぐな瞳を自分に向けていた。
「――――スイレンよ―――――」
男が目を見開いた数秒後、彼が右手に持っていたグラスは握り潰され中の液体諸共床に落ちていった。
「ふ、ふふふ……ハハハハハハぁっ!!」
彼にとって彼女のする事は小癪であると同時に余興でもあったのかもしれない。
そう、まるでゲームのように……
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