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同じ世界の同じ時刻の海岸
砂浜に佇む1人の女性、彼女は両手を広げ目を閉じ額に汗を浮かべながらまるで祈るかのように天に顔を向ける。
「時空を、次元を……理を越え……」
彼女の表情が苦痛に歪んでいくのと同時に彼女の足元からは彼女を中心に円形に風が発せられる。
「この世界に……そして私に……力を、力を……貸してください」
ヴォンッ!!
その祈りとともに女性から放たれる風の勢いは衝撃波と見間違う疾風になり辺り一面に水しぶきと砂煙が生じる。
「はぁ……はぁ……っ」
肩で呼吸をしていた女性はやがて地に膝をつきながら目をゆっくりと開く。
彼女のはるか上空では無数にある星の中の12の星がまるで彼女の祈りに答えるようにその輝きを増していった。
(彼らと共にこの世界を救う……それが私の使命……)
女性が手を広げると眩い光とともに現れたのは12の札、どれも内容は灰色のブランクで何も読み取れない。
だが無表情のはずの彼女の口元は若干ながら笑みを浮かんでいるように見えた。
女性は重いその躯を無理やり立たせると、誰かを探すようにその場から立ち去った。
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