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滅び行く世界、某所
天井すら破壊された廃墟に三人の人物が佇んでいた。
「これ、どう思う?」
自身の札を他の2人に見せるのは腰までの長い銀色の髪をなびかせる女性
「さぁな、だが彼女の言葉以外に俺達には情報がないのが現実だ……」
「てか、これって……カメンライドカードだよな?」
1人の男が冷静に状況を推測するなか、もう片方の男は札を見ながらぼそっとそんな言葉を呟く。
「「「…………」」」
何故か3人の間には謎の沈黙、やがてその重みに耐えかねたように最後に発言した男が口を開く
「とりあえず自己紹介だな
俺は上杉 幹也だ、ま、よろしく」
「五條 薪だ」
幹也の自己紹介につられて五條も壁にもたれかかりながら名を名乗る。
そして2人の視線は銀髪の女性へ。
「ん?あぁ、俺は内藤 銀だ、よろしく」
髪かきながら自己紹介する銀だが、幹也と五條は眉間にシワをよせた
「随分男勝りな女だな……」
「勘違いすんな、こんな姿だが俺は男だ」
五條の皮肉に予想だにしない答えを返した銀を見ながら幹也は思わず笑ってしまう
無理もない、確かに言動は男勝りで一人称も俺な彼女だったが
身に纏っていたウェイター服は彼女のボディラインを強調し、ないすばでぃって奴を体現している。これが男なわけありますか?
「おいおい、流石にそれはバレバレの嘘じゃない……」
笑いをこらえる幹也の眼前に突き出されたのは免許証、そこにはしっかりと『男』の文字、そして男らしい顔をした銀が写っていた。
「………マジで?」
しばらくの沈黙の後小さな声で確認する幹也に銀も眉をぴくつかせながら小さく頷く。
「ウソダドンドコドンーーーッ!!」
どこか悲痛な幹也の叫びが廃墟中に広がったが、彼が某ライダーの真似をしてることは五條は理解していなかった。
「マジで!?」
まじです
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