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滅び行く世界・某所
ここは車一つ通らない高速道、ここにも2人の男がいた。
「滅び行く世界……か、あながち嘘じゃないみたいだな」
ひび割れた地面を触りながら先ほど
スイレンが言っていた言葉を思いだすのは
30代後半の男性
「ええ、俺は協力するつもりです、それが世界の為になるってんなら」
もう1人の男は20歳前後、見方によっては2人は親子に見えない事もない。
「ある意味救世主ってわけだね、えっと」
「あ、俺は天野です、天野 勇誠」
「俺は椎名 祐希、よろしく頼むよ勇誠君」
特に問題もなく自己紹介を終えた2人だが椎名は若干ながら疑問を抱いていた。
(戦士を呼び寄せた……か、裏を返せば
戦う者が集めるられるのは戦う為だ)
そして周りを見渡した椎名は改めて悲惨な状況を確認した。敵がいると仮定し、規模、兵力すべてが謎に包まれている今、この戦いのリスクに抱える不安はけして小さくはなかった。
――が――
(年上の俺がそんな部分見せるわけにはいかないな)
「椎名さん、とりあえず東京を目指しましょう、恐らく此処よりは色々あります、多分」
苦笑いしてた椎名に丁寧口調で提案する
勇誠の案に賛成しながら椎名はこの世界に共に移動された自身のバイクに
勇誠もまた自身のバイクであるアポロに乗り込み懐にしまってある『ギア』を見た後に椎名にアイコンタクトし発進
2人の旅は幕を開けた。
「なるほど――あれが彼女の駒ですか」
遥か上空、紫の異形の存在は高速道を走る2人を見送った後すぐにその場を離れた。
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