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「何で? お父さんは美咲たちの事、嫌いになったの? りこんってどういう意味?」
私は意味が分からないまま、疑問を口にする。
「美咲たちの事、嫌いになる訳ないじゃないか。お父さんはお前たちの事もお母さんの事も、大好きなんだぞ」
お父さんは大袈裟なくらいに目を見開いて否定した。
じゃあ何で?
そんな私の疑問を代弁するようにお兄ちゃんが口を開く。
「だったら何で? 言ってる意味が全く分かんねえよ」
お兄ちゃんも私と一緒で疑問符だらけの不思議そうな顔をしている。
しかしお父さんもお母さんも、そんな疑問に満足のいく答えはくれず、ただひたすら謝ってくるだけだった。
分からない。
お父さんは私たちの事を嫌いになった訳じゃない。なのにもう、一緒に住めないってどういう事?
みんな一緒が良いって言ったら返ってきた答えは「ごめんね。またみんな一緒に住めるように、お父さんもお母さんも頑張るから。少しの間、我慢してくれる?」だった。
何で頑張らないと一緒に住めないの? 今まで通りにここに住んでれば何の問題もないじゃん。少し我慢したら何が変わるの?
そんな質問を何度しても、返ってくる答えの意味は理解する事が出来ない。
ただ、時間の経過とともに、私たちが何を言ってもお父さんに会えなくなるという事実が変えられない事だけは理解していった。
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