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「…ホントにお腹空いて来たな…
そろそろ行こうか」
秋山さんが立ち上がって私に手を差し伸べた。
私はその手を取って立ち上がる。
「何食べに行く?」
手を繋いだまま車に戻りながら
秋山さんが言ったので
私はすかさず
「マカロニサラダ!」
と答えると
秋山さんはクスっと笑って
「じゃ、洋食屋さんだね」
助手席のドアを開けてくれて
私は、ストンと助手席に座った。
助手席のドアをパタンと閉めてから
回り込んで運転席に座った秋山さんが
車のエンジンをかける。
その一連の動作に見とれる私…。
「ん?何?」
秋山さんが不思議そうに私を見た。
「…いや…
やっぱ秋山さんは私よりずっと大人なんだなぁって思って…」
きょとんとしてから秋山さんは
ハハハと笑った。
「そりゃ結衣ちゃんより2年も先に産まれてるんだから、
ちょっとは大人じゃなきゃマズイんじゃないの?」
サイドブレーキを下しながら秋山さんが言う。
…確かに…
私はクスクスっと笑った。
海沿いのパーキングから走りだした車は
そのまま海沿いの道を走って行く。
10分くらい走ると
小さな駐車場の洋食屋さんに着く。
茶色い木造のちょっぴりアンティークなお店のドアを開けると
カランカランとベルの音が鳴る。
…あ…
こういう雰囲気…好きだな…
海側の窓際の席に座って
メニューを見た。
「…あ…
私オムライスがいい…」
メニューを見て目をキラキラさせる私を眺めながら
優しく笑う秋山さん。
「…あと、マカロニサラダでしょ」
ウンウンと頷く私を見て
また秋山さんが笑う。
秋山さんが店員さんを呼んで
オムライス2つとマカロニサラダ
それとアイスコーヒーを2つ注文してくれた。
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