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HRが終わって私たちは
胸に紅白のリボンをつけ
体育館へと向かう。
膨らみ始めた桜の蕾に囲まれた
体育館への渡り廊下を歩きながら
私は3年間を振り返る。
思えばこの学校に入学して
少しだけ大人になった気分で始めたバイトで明彦と恵一に出会った。
恵一と初めての恋をして…
苦しくて辛かった時期もあったけど
明彦と結ばれて…
いつも私を全身で守ってくれる明彦に
たくさんの幸せをもらった。
この3年間で、少しは大人になれたかな…？
ひとりひとりの名前を呼ぶ先生の声。
卒業証書をもらいに登る階段。
自分の席に戻る私の姿を
必死に撮影するお父さんの立ち上げてあったはずの髪が、すっかりペタンと寝ている姿に笑いが込み上げる。
お父さんの隣で、ハンカチで涙を押さえながらもニコニコ笑うお母さんの前を通過しながら、私は小さく言った。
「…ありがとう」
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