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卒業式が終わると、
校庭でみんなと最後のお別れをする。
後輩たちも卒業生を囲んで
泣きじゃくる子、
円陣を組んで掛け声をかける人
みんながそれぞれの最後の時間を楽しんでいる。
同じクラスだった男子に
「ずっと浅川が好きだった」
って告られて、少しドキドキしたけど
「結衣にはすっごい優しい彼氏いるんだから諦めなっ!」
と真理に言われ、悲しそうに去って行った。
真理と抱き合って泣いていたら
校門から明彦がこちらに向かって歩いて来た。
「結衣、卒業おめでとう」
明彦の言葉に私は微笑んで
「ありがとう」
そう言って、
明彦の手に自分の手を絡ませた。
4月からは同じ会社になる佐伯くんは
ペコペコと明彦に頭を下げてたけど
それ以上に真理が明彦に頭を下げてるのを見て、まるで佐伯くんの奥さんみたい…って私は思いながら笑ってしまった。
「…じゃ、そろそろ行こうか?」
明彦に頷いて、私は真理たちと別れ
校門までずっと明彦と手を繋いで歩く。
ポカポカと暖かい日差しに見守られ
私は新しい人生を歩み始めた。
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