2日後

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俺と彼女がどれだけ深い仲かは覚えてないが、この姿だけはあまり見せたくない。 シドの撃たれて空いた穴が塞がっていく。彼さえ理解できない得体の知らない触手が傷口に巻き付き塞いでいく。 「これがあの爺どもが創った物か」 ブラックアローズの兵士の1人が呟く、シドはそれを聞き逃さなかった。 床を蹴り、壁を走り、兵士たちに飛び掛かる。 それはまさに一瞬の事だった。 呟いた兵士以外が体をバラバラになって宙を舞った。 残された1人は腰を抜かし、返り血で染まるシドから尻を引き摺り後ろに下がる。言葉にならない声を出し、恐怖に支配された表情をよそにシドは彼の頭を硬いヘルメットごと握り潰した。 手先から出てくる触手が頭を失った彼を繊維を裂くように吸収していく。そして頭に何かが流れ出す。 「私たちのしている事にお前たちは何も言わずにただ、我々を守っていればいいのだ」 白衣を着た初老の老人たちがブラックアローズの兵士たちに言っている。 薄暗い何かの施設の中だろうか、彼らの背後に何かの写真が貼られている。 説明しがたい異様な化物の写真が貼られていた。
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