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今のシドなら間違いなく走り幅跳びの世界記録保持者になれるだろ。
しかし、人間にふくまれるのか。
マンションの間々を軽々と跳び越えて、シドは家に向かう。
「あれか……」
1つ手前のマンションの上で止まり、目の前のアパートを見た。
周りは高いビルなどが建ち並ぶ中でポツンと建っている。
人も通っていなかったので、シドは気にせずに屋上から跳び降りた。
アパートに入り、入口に並んぶポストの中から自分の名前を見付け、書かれている番号の部屋に向かった。
二階の一番奥。
何故か鍵が掛かっていなかったが気にせずシドは土足で上がり込んだ。
「家……俺の家か」
小さな棚の上にはシドと2人で写っている女性の写真が飾られている。
「俺の彼女か…?」
(もしも、俺の彼女なら今の俺を見てどう思うだろうな)と考えていると何かが鳴り出した。
ピッピッピッピッ………
規則正しいリズムで鳴る物をシドは探そうと部屋の隅々を調べる。
すると押し入れで何かを見付けた。
大きな箱だが綺麗に包装されており、中で音が鳴り続けている。
箱を引き裂き、中を見てみると、それは大きな光と共に爆音が響き渡った。
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