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体が溶けてしまうかと思えるような激しい熱風がシドを襲った。
アパートの壁をぶち破り、シドの体は宙に投げ出されたが上手くバランスを取り戻して地面に着地した。
アパートは跡形もなく吹き飛んでおり、辺りに残骸や煙が漂っている。
すると、空に空気を裂く音が聞こえた。
黒い鉄の固まりがどんどんシドの頭上に集まってきていた。
船体には[ブラックアローズ]と書かれている。
「ヘリだと!? こんな市街地でか!」
危機を感じ取ったシドは国道に跳び出してヘリコプターを撒こうとした。
だが、国道の反対側に建つマンションの前に装甲車が停まっているのに気がつき、足を止めた。
マンションの中から兵隊とスーツの男性が小走りで出てくる。
「大尉、早く乗ってください!」
距離は離れてはいたが声は十分に聞き取れた。
「アイツか」
シドは爆破の犯人があいつらだと判断し、走り出していく装甲車に跳び付こうとしたが、頭上のヘリから兵士達がロープをつたって降りてきて邪魔をする。
「どきやがれ!」
「射殺許可が下りている。お前ら、コイツを殺しても構わんぞ!!」
部隊の隊長らしき男が兵士達に号令をかけ、銃を向けた兵士達が我先にと一般人がいるにも関わらず発砲してくる。
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