15人が本棚に入れています
本棚に追加
残った左腕で顔を守りながら、足で兵士に蹴り飛ばす。
飛んでいって壁に当たると兵士はミンチ肉になる。
大尉は公園近くのトンネルの中に逃げていくのが見えた。
このままでは逃げられてしまう。
奴はブッラクアローズの何か情報を持っているはずだ。
走って追いかけようと考えると触手が脚に絡まり、力がみなぎった。
どうやら触手が力を貸してくれたみたいだ。
上手く共存できるかもしれないな、とシドは考えつつ、十字砲火の中を切り抜け、目で追えないほどの走りで大尉のいるトンネルの先に回り込んだ。
「キサマ…いつの間に!?」
慌てふためく大尉を余所に護衛の兵士を力でバラバラにすると彼を問い詰めた。
「お前らは何故、俺を追う?」
乱暴に服を掴み、更に脅す。
「誰が教えるかよ。くたばれクソッタレ…」
弱い声だった。
そしてそれが彼の最後の言葉となった。
怒りに我を忘れたシドは大尉の脳を頭から引きずりだし、触手が彼を吸収していく。
すると頭に声が流れた。
「あのウィルスがこの街に撒かれたんだ。あれに感染すればスフィア菌が体内で増殖し、他の人に移そうとする。しかし、ハザマ・シドのは違う。体内にウィルス兵器を持った彼は起爆を待つ爆弾だ」
最初のコメントを投稿しよう!