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「今のは……」
聞いたことのない声が何かを説明していた。
大尉が聴いたものなのだろう。
そろそろ騒ぎが知れ渡るころだろう。
辺りからサイレンが聞こえる。
シドは大尉を吸収した時に直った右手の感触を確かめながら、妹が待つ隠れ家に向かった。
ドアを乱暴に開けて、シドは隠れ家に入った。
「何よ! もっと静かに開けてよシドにぃ」
「すまない。それより、街で何かが起きようとしているんだ」
「それなら知ってるよ」
チヒロは苦労して手に入れたシドの情報に驚きもせず、むしろ今さらか、と言うような顔でパソコンの画面を示した。
「なんだ?」
そこには知らない女の顔写真。
金髪で異国の女だ。
これがどうしたんだ、とシドはチヒロに聞くと。
「シドにぃのノーパソの中に入っていた情報と、私が独自に調べた情報で見つけたの」
「俺の?」
「さっき2年前って言ってたけどあれは嘘なの。本当に記憶が無いか鎌かけただけよ」
シドはチヒロが頭が良い女だったのだと見直した。
「3日前に会ったのよ。2年ぶりにね。シドにぃプロット製薬の秘密を暴こうと頑張ってたのよ」
彼女だけが合点していてシドは話についていけなかった。
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