32日前

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「今のは……」 聞いたことのない声が何かを説明していた。 大尉が聴いたものなのだろう。 そろそろ騒ぎが知れ渡るころだろう。 辺りからサイレンが聞こえる。 シドは大尉を吸収した時に直った右手の感触を確かめながら、妹が待つ隠れ家に向かった。 ドアを乱暴に開けて、シドは隠れ家に入った。 「何よ! もっと静かに開けてよシドにぃ」 「すまない。それより、街で何かが起きようとしているんだ」 「それなら知ってるよ」 チヒロは苦労して手に入れたシドの情報に驚きもせず、むしろ今さらか、と言うような顔でパソコンの画面を示した。 「なんだ?」 そこには知らない女の顔写真。 金髪で異国の女だ。 これがどうしたんだ、とシドはチヒロに聞くと。 「シドにぃのノーパソの中に入っていた情報と、私が独自に調べた情報で見つけたの」 「俺の?」 「さっき2年前って言ってたけどあれは嘘なの。本当に記憶が無いか鎌かけただけよ」 シドはチヒロが頭が良い女だったのだと見直した。 「3日前に会ったのよ。2年ぶりにね。シドにぃプロット製薬の秘密を暴こうと頑張ってたのよ」 彼女だけが合点していてシドは話についていけなかった。
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