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「目的地付近についた。次はどうすればいい?」
シドはエリが監禁されているプロット社近くの建物の屋上からチヒロと携帯電話で連絡をとっていた。
「ビルの回りに警備がいるから気を付けてね」
「どうすればいい?」
「さぁ? あとは好きにしてねシドにぃ」
一方的に切られ、シドは電話の向こうにいた人物を睨み付けて屋上から飛び降りた。
ビルの回りは高い壁に囲まれていたがシドには関係なく、壁を登り頭を覗かせた。
敷地内には警備とは思えない程の重装備をした兵士が何人もおり、辺りを警戒している。
まるでシドが来るのが分かっていたようだ。
「強行は無理だな……あれは?」
シドの眼に他の兵とは明らかに違う服装をしている人物が写った。
スーツの男性、プロット社の重役だろうか。
シドは壁を静かに乗り越え、停めていたトラックの裏に身を隠した。
スーツの男性は上手く1人になり、トラックに近づいてくると他の目を盗んでシドは裏に連れていき彼を吸収した。
トラックの裏から吸収した男性に擬態したシドが悠々と現れ、ビルに怪しまれることなく入っていった。
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