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シドが取り込んだ重役の記憶からエリは地下に監禁されていることが解った。
地下5階。
そこにエリがいる。
シドはスーツの男性の姿のまま、慎重に階段を降りていく。
途中、社員とすれ違ったが礼をされるぐらい、逆に向こうが避けてくれる。
地下5階にシドはたどり着く、辺りから怪しい音や動物の鳴き声が聞こえてくる。
「何かの実験場か?」
扉の向こう側から聞こえる男の悲鳴を聞きながらシドはエリを捜した。
地下5階の最奥、エリは完全に密閉された部屋に閉じ込められていた。
シドは変身を解き、鋼鉄の扉を叩き壊し、部屋にズカズカと入った。
「エリか?」
「……シド?」
フードの中を覗き込み、エリはシドと確認した。
エリはシドに抱きつき、涙を流しだした。
とても辛い事でもあったのだろう、シドはそれを察して何も言わずに抱きしめた。
その時だった。
ビル中の警報器がひっきりなしに鳴り出し、侵入者を告げ始める。
「エリ、逃げるぞ」
「ええ…」
エリは頷き、シドは彼女の手を取り、彼女を抱き抱えて走り出した。
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