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サナギDAYS
「たけるー遊ぼうぜー」
家の前から友達が呼んでいる。
「いや今日はいいー、それよりお前もこっち来いよ」
向かった先には虫カゴが一つ。
「お!!カブトか?」
中を覗くが動いているものは何も無かった。
「この枝に着いてる奴だよ」
指差す先を見つめると枝にはサナギが付いていた。
「何だこれ、新種じゃねぇの?」
半透明のサナギがぶら下がっている。
「この前、裏山の入り口で拾った」
「マジかよ!何が生まれるんだろうな」
奇妙なサナギを見つめる二人には、今はまだそのサナギが宝物のように思えた。
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