こい と しつれん

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こい と しつれん

  結局、違算理由は2ヶ月かかって判明した。 この客は特別で、ウチが客から部品を買って、ウチで加工して客に売る。 客から買う部品単価と、客へ売る製品単価は、客が決める。 だから客が単価訂正を言ってきたら、その数字をウチのデータに反映させなきゃいけない。 しかも納期に6ヶ月かかる商品もあって、部品を買った時点の単価と、売った時点の単価が正しいかどうかチェックする必要もあった。 …それが、3年以上、出来ていなかった。 ウチの発行する請求書ではなく、客の指定請求書に社印を押して返すだけのシステムだったから、金額差も見落としていたのだと思う。 支払も6ヶ月ファクタリングだから尚更に。 その理由が判明した後の単価訂正や値増し処理は本社がしてくれた。 俺と所長は始末書を書いた。 .
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