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少女は俺の目の前に降り立って、
「お前、私が見えているのか………?」
と尋ねてきた。
俺は無言で頷いていた。そして、
「お前、飛んでいた…………よな………?」
「ふむ、私が見えているとは…………」
いや、スルーされても…………。
「お前、何者だ?」
「いや、お前こそ何者だよ!?翼があって、空飛んで…………」
「ふむ、見えているなら言うしかないな。私はルシファー・リルコット。人間からはルシファーと呼ばれている」
ルシファー…………地獄の王とか堕天使とも言われている、あのルシファーか…………。
納得するな、と言う方が無理だ。だって、目の前で飛ばれれば無条件で納得しなければならない。
しかし、ルシファーって男じゃないのか?
「それで、お前は何者だ?」
「あ、ああ、俺は一宮璃玖だ。景台高校二年になろうとしている」
ルシファーの目は赤く、いや、どう見ても美少女という単語が彷彿される顔だった。
「それで、璃玖はエクソシストか何かなのか?」
「なんでそうなる。もしエクソシストなら臨戦体制になっているはずだが?」
「ではどうして私が見える?」
「知るか。俺に聞くな」
「…………」
「まあ、寒いだろ?とりあえず家に行くぞ。話はそこでしよう」
落ち着いて対応している俺に驚いたものの、俺とルシファーは俺の家に向かった。
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