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なんとか母と姉を回避し、自分の部屋にルシファーを連れ込む。
「………で、なんであんな所を飛んでいたんだ?」
「ああ、あれはだな…………簡単に言えば気分だ」
「気分!?」
「ああ、一般の人間には姿が見えないからな、暇な時はああして暇つぶしをしているわけだ」
「で、その途中で俺に見つかったと」
「ああ。私達は魔法で影すら見えなくしているのだが、目が合い、声を出された時には驚いたぞ」
「それは俺の台詞だ。いきなり空を飛ぶ少女を見たとあれば目を疑うさ」
しかし、俺の部屋をキョロキョロと見回し、目を白黒させながら座布団に座っているこいつがルシファーとはな…………。
「でもルシファーって人にとり憑いたりするんだろ?」
「何をいうか!」
俺は少しでも情報を得ようとよく聞くルシファーについての事を聞いたが、ルシファーは怒鳴るように立ち上がった。
「私は確かに悪魔という部類だが、人に憑いたりはあまりしない。私は気分屋なのでな。力はあるが、あまりそれは使いたくない主義でな。だからお前達がよく聞くルシファーはまがい物だ」
力あるが故に起きる事だな。
「じゃあ普段は何しているんだ?」
「ふむ、普段は書類の整理とかをしている」
難儀な話だな。おい。
「しかし、お前が気に入った。久しぶりに人間界で過ごすとするか」
何をきっかけにだよ………。
「私が見えて、気兼ね無く話し掛ける人間はお前が初めてだからな」
ああそうですか。
「しかし、仕事はどうする?住む所は?」
「仕事なぞ私の部下に任せれば良い。緊急時のみ私に回せば良いからな!住む所はここで良いだろう?」
「はぁ!?なんで----」
「お前は女を独りにさせるのか?いくら魔法を解除するとはいえ、私は女だ。何か事が起きてからでは遅かろう?」
いや、ルシファーなら痴漢だろうと消し炭に出来そうだが…………いや、それがダメなのか………。
「…………わかったよ」
こうして、ルシファーとの出会いと同居が始まった。
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