掃除をしていて

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思った。 私の知らない顔が仏壇に飾られている。 愛はあっても怠惰なのか埃が酷い。 年期の入った汚れを拭きながら額縁の中の人を眺めていると、それは過去でもない別の何処かであるように思えてくる。 そしていずれは私も過去に流れ、名も知らぬ誰かになりゆくのだろう。 嘗ては愛され人だったもの。 私はその額縁を綺麗に磨いてみる。 私は彼らを知りもしないけれど 今でもそこに愛があると感じるように。
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