第一章

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くそっ!! もうこうなったら!! 「ごめんなさい、失礼しますっ」 逃げるに限る!! 「あ、ちょっと待ってよ」 追い掛けようとする宮沢だが残念だったな! これまでも俺は学年1の俊足の持ち主!!! なんとか宮沢から逃げ切り、タイミングよく来た電車に乗り込む。 …うげぇ、混んでるじゃん! 昼間なのにも関わらず、朝の通勤電車並みに混んでいる車内。 一気にやる気をなくしかけたが、ここまで来たらもう逃げるわけにもいかず… 仕方なく近くの手すりに捕まり、人混みと揺れに耐える。 それからどのくらい経った時だっただろうか。 少なくとも次の駅に止まる前の出来事だった。 「……っ!!??」 下半身に何かを感じると思ったら、ワンピースの中に誰かの手が侵入してきた。 これは… 間違いなく痴漢だ!! 侵入してきた手は迷うことなくお尻を撫で回し始める。 …俺は男なのにっ!! 女装のせいで女の子と間違えられているのだろう。 殴り飛ばしたい衝動に耐え、唇を噛み締める。 .
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