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わがままな姉を持つ、当時中学一年生の立橋は、クラスの中心人物とも言える、かなり大胆で明るい性格の持ち主であった。そしてそれは、中途半端に抱く恋情にも負けずに、積極的にアタックをしていく行動にも表れていた。
しかしさすがの立橋も、呼び出し音を聴いている間の静けさと無機質さは緊張した。長く感じた。
『もしもし?』
「あ、俺、立橋だけど……」
『あぁ、立橋君! この番号立橋君家のなんだ!』
「うん。携帯持ってないから家電からかけるしかないんだよね」
『へぇー、携帯持ってないなんて珍しいね! とりあえず後で登録しておくね!』
明るい声色は、立橋の不安を一瞬で払拭してくれた。
それでも受話器を持つ手は、震えて止まなかった。
これが恋愛というモノ。身に染みて感じていた立橋は、不安の中にある、恋をしているという高揚感も楽しんでいた。
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