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慌てて自室に戻る。近所にいて、家の場所も知っているのならすぐに訪ねてくるはずだ。
休日をだらだら過ごすための部屋着で出迎える程、立橋の美意識は腐っていない。
「姉ちゃん! 友達来るからインターホン鳴っても出んなよ! 俺が出るから!」
「お? その娘が来るんだ? どんな娘なのか拝んでやろっと」
「だから出んなよ! 絶対に出んなよ! 死んでも出んなよ!」
天の邪鬼な姉に念を押して、自室がある二階に駆け上がった。
プライベートにて春山と会うのが初めてな立橋は、春山の私服の好みなど知らない。ここはシンプルな服装で出迎えるべきなのか、それとも自分らしさを出すべきなのか。
まさに青春を謳歌するとはこういう事なのかと実感していると、まだ着替え終わっていないのにインターホンが鳴り響いた。
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