第二章 暫定殺人

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「何もないでしょう?」 「うるせぇ、黙っ……おい。お前なんで喋れる。ガムテープはどうした」  しまった、と二人は目を見開く。もちろん男が空の横に落ちるガムテープを見付けるのはすぐの事だった。  立橋が引き剥がした後に、それを付け直し忘れてしまった。 「そうか、この家には弟か妹もいるんだったな。今日は平日だからいないもんだと思っていたが……おい! 出てこい! さもないとお前の姉、酷い目見るぞ」  無抵抗の空の髪を引っ張り上げる。髪を引っ張られる事は、異常な激痛を伴うのを知ってか知らずか、そのまま投げ飛ばした。
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