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「も、もうこれ以上は止めろ! お前は逃げられない。さっき携帯で警察を呼んだからな!」
「……ほう……じゃあ捕まえられる前にお前も殺しておくとするか」
「……な……こ、これ以上罪を重ねたらお前の刑期が長くなるだけだぞ!」
ボウイナイフを慣れた手付きで弄りながら、含み笑いで立橋のハッタリに答える。
その傍で空は、蹲りながら吐血していた。
元より長くない命をさらに短くした男が、憎い。赦せない。しかし彼以上に赦せない者がいた。
自分だ。
いつも姉には尻に敷かれ、されるがままだった。それでも自分が男である以上、いつでも形勢逆転など可能だと思い上がっていた。
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