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戻ってきた昔に、少し涙が出そうになったのを軽く拭っていると、階上から慌ただしい足音が。
慌ただしいといっても、他の人達にはまだ聞こえてないくらい小さな音です。エルフは獣人の次に耳が良いんです。
その音はすぐ近くまで来て、ピタリと止まりました。お店の奥にある2階へ繋がる階段から聞こえました。
流石に近くまで来て、シンさん達も気付いたのか、ん?と奥に視線を向けます。
お店と居住スペースを分けるドアの隙間から、ピョコンと何かが1度覗いたかと思うと引っ込みます。
あれは……。
ミリ「ニナちゃん、ヨルちゃん……パパが帰ってきてくれましたよ……?」
「パパ……?」
「おにーちゃん……?」
シン「おお!愛しの子供達よ!つーか背ぇ伸びた?中学生サイズになってない?」
ニナちゃんとヨルちゃんの姿を確認すると、即座に近付いて抱き上げるシンさん。
ニナ「パパ……パパ……!」
シンさんは泣きじゃくってしまったニナちゃんを器用に撫でています。本当にいとおしそうに。
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