山吹色の君

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モデルが初恋の子なのでというわけにもいかず、 「あまりにも綺麗なので思わず見とれてしまいました」 と答える。 「その気持ちわかりますよ。これを書いた人は上手いんですが気分が乗らないと書かないんですよ。絵が好きな人の間では変人と呼ばれるほどですから」 よっぽどこのシーンに感じるものがあったんでしょうね。 と彼は穏やかに話す。 「是非一度お会いしてみたいです」 と俺は半ば冗談で言った。 すると彼は一枚のメモを俺に渡した。 「この近くのアトリエで活動してますよ。週に一回体験教室も開いているようですし、行ってみたらどうですか」 という言葉と共に。
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