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「私の絵に興味があるの?」
トゲを忍ばせた声で
雨宮和泉は聞いてくる。
「あ、はい」
ギシギシと床を軋ませながら近づき、彼女は
「なんで?」
と顔を近づけて聞いた。
長い前髪に邪魔され表情は全く見えない。
だけど雰囲気から楽しんでいるということがわかった。
「絵の中の人物が何を見てるのかと思って……」
思ったままに答えると
「変なやつ」
と声を弾ませながら言う。
そして、
「教えてあげてもいいけど
私に貴方の恋の色を教えて?」
彼女は俺の顎を細長い指でなぞった。
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