山吹色の君

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「好きです。付き合って下さい!」 これで今月十人目。 大地は今の状況を客観的に見ていた。 ずっと好きだった女の子、七坂柚子(ナナサカユズ)の恋愛を邪魔した挙げ句フラれて、はや一ヶ月。 人生最大のモテ期が俺に訪れている。 あまりの運動音痴に俺は今までモテたことがないのに、だ。 (本当は、大地があまりにも柚子しか見ていないため告白出来る者がいなかっただけだが、彼はそんなこと露知らず) 男として嬉しいことではあるが、正直柚子をまだ諦めきれない。 柚子とクラスで話せるだけで胸がざわつくほどに。 そんな状況で誰かと付き合えるはずもなく、俺は今月十回目の言葉を吐いた。 「ごめん。今は誰とも付き合えない」
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