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以前よりも起きる事が増えてしまった、激痛と動悸・・・。蒼空は、それが何を示すのかに感づいていた。そして今、藤岡の言葉で確信に変わった。
「つまり、ココだろ?僕の・・・・心臓。」
蒼空は胸元に手を当ててそう言った。先生の口から言われてしまうより、この方がずっと・・・現実を受け入れられる気がした。
「なっ・・・・それじゃあ息子はっ!」
「そうです。母親と似た状態にある、という事です。・・・・ですが急性の疾患なので、薬での治療で治ると思いますので安心してください。」
「僕のココ・・・・治るの?」
「治るよ。だから心臓の事は安心していい。」
藤岡はそう笑顔で言った。
「・・・・そっか。よかった・・・っ。」
蒼空の心の奥に住み着いた恐怖心が、少しだけ消えた――――。
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