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「ったく!ここもハズレかよ!」
文也は怒りを込めて地面を蹴る。
「まぁ、所詮ウワサだったんだよ。」
文也の隣にいた友人、俊輔が慌ててなだめる。
「なにが、『昔、ここでバラバラにされた女の霊がでる』だ!腕一本ねぇじゃん。」
そう愚痴りつつ、文也は停めていた自転車に向かった。
「ちょっと!文也待ってよ!いきなり1人にしないでよ!」
俊輔は慌てて駆け寄った。
「いや、シュンは恐がりすぎだからね……」
文也はそう言いながら自転車のスタンドをあげ、サドルに跨った。
「だいたい文也がおかしいんだよ!ここけっこう不気味だよ!」
俊輔もサドルに跨り、文也の後を追った。
「さて、次はどこに行ってみようかね?」
文也は俊輔の方を向き、ニヤリと笑いながら言った。
「えぇ!もう次の計画!?勘弁してよ~。」
そんなやり取りをしながら2人は帰路についたのだった。
ビタッ……-
…ビタッ…-
ヌチャッ…
グチャッ…
「ぁ……ぁ……ま……っ…て…」
2人が帰った後の場所には、不気味な音と声が響いていた。
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