昔話  兵(つわもの)の掘る穴ー真実その4ー

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執事が考えていたよりも、驚く程あっさりとグロリオーサは"決起軍(レジスタンス)に協力する者達"の内心を理解する言葉を口にしていました。 今まで彼から向けられていた鋭い視線もなくなり、怖さもなくなってしまって、ロックは思わずポカンとしてしまいます。 『そんなに、そこまで驚かないでくれよ、ロック君。さっきまで、怒ったアングレカムみたいに怖かったのに』 『……失礼しました』 未だに"君付け"を止めませんが、それに対する怒りはロックには今は浮かびません。 その2人のやり取りをピーンは目を閉じたまま口角を上げて耳に入れていて、カリンは何処と無くではありますが賓客と執事から殺伐とした空気が抜けた事に、安堵の表情を浮かべます。 グロリオーサは苦笑いを浮かべながら、少しばかり狼狽えている調子の執事を見つめて、年相応と言うべきなのか"大人"として穏やかに口を開きました。 『それこそ、トレニアにはこれまでにだって、散々言われているんだ。 「皆が皆、貴方みたいに強くはないし、心が広いわけじゃない」ってな。 それにあわせて、俺の気持ちも判ってくれていた。 「グロリオーサは、強くなりたくて強くなったんじゃないのは、判るから。 強くないと、生きて行くことが出来ない場所にいたから、仕方なくに強くなったのも判る。 本当は少しだけ、も」 まあ、こんな強面で、鬼神なんて呼ばれてる俺が"守られてみたい"なんてちゃんちゃらおかしいなぁ』 そこまで言って、再びグロリオーサの黒い瞳に力が戻ります。 だが先程のような、恐ろしさを感じさせるようなものではなく、"強さ"を伝える眼差しでした。 『ただ、これだけは言わせてくれ。俺は心を読めしないし、ガサツだし、単細胞な、馬鹿力の、鬼神らしい。だが"平定に協力"してくれるって言ってくれた人達と決起軍(レジスタンス)頭目(リーダー)として接した"俺"には、彼等が力強く見えたんだ。 俺達、決起軍(レジスタンス)が諦めなかったら、平定の為に動いたなら、可能な限りついて来てくれるって。例え、トレニアが抜けたとしても、だ』 最後の方だけ、グロリオーサの言葉が少しだけ弱くなります。 『……それは"希望"を感じさせるグロリオーサ・サンフラワーを目前にして、その方達も気持ちがでは?』 執事は自分でも嫌な事を言っていると思いながらも、その可能性を口にしました。
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