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信頼する執事にもこなせる仕事として、賓客が色んな意味で必要とする持て成しをさせ、自分は領主にしかこなせない支度を、あの白髪の賢い頭の中でしていることを、ロックは今になって察します。
(旦那様は、本当にイタズラ好きですね……)
"驚かせる"という意味では、一見穏やかな状況でしかないのですが、実はロックは十分に実は驚いていました。
ロック自身はこうやって、賓客に対して喧嘩腰の、もしかしたら自分の首が飛ぶかもしれないそんな話方をしたつもりでしたが、予想以上にグロリオーサ・サンフラワーが穏和に話を受け止め、落ち着きそうで、苦笑いすら出そうになっています。
"器が違う"とまざまざと感じ、嫉妬を抱くのは仕方ないとしても、"敵愾心"をグロリオーサに持たなくても良いのだと判りました。
(……私とこのグロリオーサ様は、元々が旦那様から見ている立ち位置が違うんですよね)
ただ、ピーンがどちらも大切にしようとしているのも判り、また主も執事が賓客対して敵愾心を持って欲しくはないという気持ちも伝わってきます。
その賓客であるグロリオーサは、昔馴染みの親友だけではなく、迷子になって辿り着いて"保護"された先でも、影響力とカリスマ性があると言い切られて考え込んでいました。
鬼神は今度は困っているのが、ありありと判るような皺を眉間に刻んで、腕を組んで考え続けています。
ただそのグロリオーサが考える姿は、どういう訳だかわからないのですがが、"とっても似合わない"という言葉を、敵愾心が抜けてしまった執事に思い浮かばせました。
優秀な執事は、不覚にも嫉妬は抱いている相手ではあるのですが、"似合わない姿"をしている賓客に、好意的な笑みを浮かべそうになってしまい、口許を押さえて堪えます。
『あの……。お話が落ち着いたのなら、私も繰り返しになるんですけれど、今一度、グロー様にお尋ねをしたい事がございます。どうして"グロー様"が、このロブロウで迷子になってしまったのですか?』
カリンが執事と賓客の話が落ち着いたというのを見計らって、おずおずと疑問を小さな唇からに出しました。
領主夫人の質問に、ロブロウ領主である夫のピーンは、閉じていた目をあけて自分の伴侶を一瞥します。
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