昔話  兵(つわもの)の掘る穴ー真実その7ー

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人の気持ちも考えて行動するが、自分の気持ちも行動に必ず含ませ、最後に決して"誰かの為に行動した"(など)とは、言いません。 全ては自分の責任として、受け止め、そう決めてから先ず見たのは、気に入っている副竈番でした。 マーサは喋らないまま、落ち着かないのか、今はまた動き出し、取り敢えず領主に言われた通りに片付けの続きを始め、もうすぐ終わります。 (マーサは恐らく、芽生えたばかりのの扱い方に戸惑っている) 次に、アングレカムへの返答を明瞭にしないまま、修繕に使っていた道具を片付けを始めているロックを見つめました。 行動はきびきびとはしてはいますが、はっきりと言って、顔色は冴えません。 (本当に優秀だが、何故だかグロリオーサに苛烈な嫉妬を抱いて戸惑いながら、懸命に理性で抑えている) そのグロリオーサはロックの為を考えてマーサを誘う旨の発言をしたら、親友に睨まれ、不思議そうな顔していました。 アングレカムはロックの返答がない事と、仲間の鈍さに軽く苛ついています。 グロリオーサは(テレパシー)を使うと、激しい頭痛を伴う為、暗に伝えるという手段が取れません。 それも美丈夫には、苛立ちと悩みのようにも見えました。 だが、実はグロリオーサもアングレカムにおおっぴらにはしたくはないのですが、「ロックが自分(グロリオーサ)に苦手意識を持っているらしい」事を伝えたいと考えています。 (グロリオーサは、ロックが自分に対して出来れば避けようとする意識を持っているのに、気がついている。アングレカムはその事に気がついてはいない。 と、言うよりはんだろうなあ) ロックは確りしているし、グロリオーサは本当に人を引き付ける天性のカリスマを持っている、その2人が合わない、とアングレカムが気がつくには出会ってからの時間が短過ぎました。 "使用人を代表する執事が、領主の大切な客人を毛嫌いする"。 そんな話を口に出し、万が一にでも他の使用人に広がったのなら、ロブロウの中でもロックの評価が下がるという事を、グロリオーサなりに気にしています。 そして、ロックが気を使わなくていいようにしたくて、マーサに声をかけていますが、それには気が付いた親友から咎められるような視線を送られました。 (ここは、私がいつも通りの"非常識"になった方が早いかな)
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