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結局、イマイチ仕事に身が入らないまま、終業時間を迎えてしまう。
おい、泉って…こんな奴だったっけ?
あぁ…そうか。
今までこんな自分を知らなかったのは、“恋”をした事がなかったからか。
自分でも意外だよ。俺がこんな奴だったなんてさ。
でも、何だろう?嫌いじゃないかも、こんな自分。
とりあえず、早くメール来てくれ。
今度の土曜日も休むって、碧に言う前に。
仕事帰り、碧に会いに店に寄る。
話したい事があるとは、メールしておいた。
閉店時間が過ぎたばかりだったので、店には灯りが点いていた。
店の裏口、つまりスタッフ専用出入口から店内に入った。
「あら、お帰り、泉」
碧とスタッフが掃除をしていた。
「ちょっと待ってて、もうすぐエイジがこっちに来る事になってるの」
エイジこと、清水英二(シミズエイジ)は、碧の旦那様だ。
俺にとっては義兄さんで、美容師としては師匠だ。
今度の土曜日も休むって、益々言い出しにくいじゃないか。
「俺も手伝うわ」
2日も休ませてもらった上に、更にお願いがあるのだから。
「よろしく」
碧の返事は予想通りだ。
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