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そして紅牙が向かった先は、夜中にも関わらずイルミネーションが並ぶ明るい街だった。
更に進み、その外れにある倉庫街に訪れ、その屋根の上でゆっくりと着地する。
幾つも建ち並ぶ倉庫の中、一つだけ灯りが照らされたものがあり、紅牙はすかさずその中を覗き込むと、
「見付けた…!」
中には暴走族のような風体の団体が集会しており、内の一人は異様な雰囲気を放っていた。
紅牙は更に中を見張っていると、その異様な雰囲気を放つ一人の男が、突然狂ったように高笑いし出し、
「ぐはははははっ!!」
「な、なんなんだよ斉木さん!」
手当たり次第に集ったメンバーを人間離れした剛力でなぶり始め、辺りには血飛沫が舞い散り、まるで血祭りのようだった。
そこへ紅牙はスッと飛び降りて着地し、
「"裏切り者には死を"……まさかこの鉄の掟を忘れたとは言わねーよな?」
「ぐはははははっ、誰だお前は!」
すぐにその男にそう尋ねる。
その男は、明らかに悪魔の裏切り者だった。
それをすぐに見抜いた紅牙は、ゆっくりと抜いた刀の切っ先をその"斉木"と呼ばれた男に向ける。
それに対し斉木は、
「ぐはははははっ追っ手か、だったらここで死にやがれ!!!」
肩から下げた鎖を素手で引き千切り、紅牙に向かって勢いよく踏み込みながら拳を突き出した。
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