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「優月!遅刻するぞ?」
彼女は振り返るなり「隆吾くん!乗せて」と言ってきた。
このままだと遅刻してしまうので仕方なく乗せる。
校門から少し離れたところで下せば、教師に気づかれることもないだろうと考えた。
「隆吾くんなんでいるの?朝練は?」
「今日はなかったんだ」
そういうと珍しいね、と笑った。
彼女の笑顔を見れないことが残念に感じた。
が、仕方のないことだ。
腰に回された彼女の手。
「優月はどんくさいから、落ちそうで怖い!…から離すなよ」
そんな風に言うと彼女は腕の力を入れて、「どんくさくないんだから~」
とまた笑った。
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