第01話 妖(アヤカシ)

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「わー……高いッスね」 隣では泪に抱えられながら恋が町を見渡している なんて呑気なやつなんだろう 妖怪だから? 「現場は学校からだいたい5kmの場所 ひとっ飛びで2分です」 現場の家がある場所を雷が指指しながら説明する てかそんな2分で到着できるとか…… 「ふむ……んじゃとりあえず姿消すか」 すると喰麗がこちらを見てきた 「?」 「……姿を消す式神あったろ さっさと出せ」 「……あぁ そういえばあったね 今出すよ」 とりあえずオレも協力しなきゃいけないらしい 人使いが荒いなぁとか思いながら制服の内ポケットから式神『透』を出す トラブルに巻き込まれた時なんかにこれを使えば姿を消して逃げられるから結構役に立つ 「はい」 「ん」 式神から直径3m内であれば最大5人は隠せるから、喰麗や恋には1枚ずつ渡せばいいだろう でもお互いに見えなくなるから、声や妖気で確認しなくちゃいけないのが難点だ 「見えなくなったな それじゃ行くぜ?」 「了解ですお嬢」 「覚悟はいいかい桜井くん?」 「覚悟って…… 大丈夫だよ」 「しっかり捕まっててね恋ちゃん」 「了解ッス!」
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