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校門付近には、登校している生徒が意外に多くいた。
その中から、一人の女生徒が近づいてくる。
「おはよー」
「あ、おはよう!」
女生徒はゆかりに話しかけた。
ゆかりの友達だったようだ。
友達への挨拶もそこそこに、ゆかりはこちらに振り向く。
「さ、着いたよ。ここが月光館学園高等部。よろしくね」
「あぁ、こちらこそよろしく」
改めて挨拶をした後、二人は校舎へ入った。
広い玄関、大きな入り口前ラウンジ、多くの人。
スケールの大きさに空は驚嘆した。
「ここからは一人で大丈夫だよね」
ゆかりからの放任のお達しがでた。
いつまでもゆかりに頼りきりじゃ情けない。まず、何をすべきか空は考えた。
…職員室にでも行くか。
そう結論を出したとき、
「えーと…まず先生にあいさつか」
ゆかりも同じことを考えていたようだ。
「そうだね、行ってくる」
「職員室は、この先を左に入ってすぐだから、詳しい事はそこでね。…以上、ナビでしたー。何か、分からない事とかある?」
「特にないかな」
ゆかりにどのクラスか訊こうかと思ったが、今日は新学期初めての登校日だ。今来たばかりのゆかりにそんなことわかるはずないだろうと、訊くのをやめた。
「それじゃ、色々とありがとう」
そういって空は職員室に行こうとした。
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