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しかし、ちょっと歩いただけでも、この学校に個性的な人たちが多いのはすぐに分かった。
嫌でも耳に入ってくる会話でわかるのだ。
入口からみて掲示板奥の売店では、なにやら先生らしき人が愚痴をこぼしていた。
「くそ!最近の若者は大人に対する尊敬というものが足りん!先生とはその名の通り〝先に生まれた者”なのだ!なのに最近の若者といったら…」
「もう…分かりましたから、先生。先生の好きなクリームパンをもっと入荷しろってことでしょ」
他にも、女子とジャージ姿の男子が、夫婦漫才みたいなことをしていた。
「もう、ミヤ、なんであんたはジャージなのよ!」
「だって、その方が動きやすいじゃんよ?」
「動く前に、始業式とかホームルームとか色々あるっての!そんなことは考えないの!?」
他にも、掲示板に名前がないといって本気で悲しんでいるひとやら、挙句の果てには職員室前の廊下で兜をかぶった中年の教師らしき人と、外国人が楽しそうに会話しているのさえ見てしまった。
見つけ出したらキリがないので、空はそそくさと職員室に入った。
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