“心の仮面”

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「なんか…偶然だよね。同じクラスになるなんてさ…」 「そうだね」 「うん、驚いた…」 「おいおい、俺だって同じクラスだぜ?なんか扱い違わねーか!?」 すっかり除け者にされていた順平が空とゆかりの間に割って入る。 「てか、実際訊きたいことあんだけどさ。お二人さん、仲良く一緒に登校したんだってぇ?詳しく聞かせてくれよー」 にやにやしながら順平が尋ねる。 「えっ、ちょっと、やめてよ!彼とはたまたま寮が一緒ってだけ。何でもそういう話に結び付けすぎだっての」 ゆかりは心底順平を見下すような目でキッパリとそう答えた。 確かに、それが事実なのだが… 「てか、そもそもウワサになるの早すぎ…。不安だな…そういうの」 学生というのはそういうものである。 誰彼関わらず、恋愛というものに興味があるものだ。 しかし、あらぬ噂を立てられる方にしたら、はた迷惑なことこの上ないだろう。 特に、ゆかりは年頃の女の子だ。 好きでもない男との色話を立てられたとあっては、収まりがつかないのだろう。 「…ちょっと、いい?」 ゆかりが制服の袖をつかんで聞いてきた。 そういう態度が誤解を招くと思うのだが… ゆかりは気にせず話を進める。 「あの事とか…言ってないよね?」 小さな声でゆかりが尋ねてきた。 これ聞かれたらまた誤解を生むなと思いながら、空は答えた。 「昨日の夜の事か?それなら言ってないよ」 「なら、いいけど。そのこと、ホント言わないでよ…?」 ゆかりが念入りに聞いてくる。 「分かってる。」 ふと、視線が突き刺さる。
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