“心の仮面”

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「…」 「な、なに?」 視線は順平のものだった。 どうやら話を全部聞かれていたようだ。 空は危機感を覚え、説明すべく口を開こうとしたが、遅かった。 「き、昨日の夜って…え?」 やっぱり、誤解されていたか、と空は肩を落とした。 順平は明らかに人の話を聞かないタイプだ。 説明するだけ無駄だろうが、ゆかりはそのままでは納得いかない。 「ちょっ…なんか誤解してない?とにかく!彼とは昨日会ったばっかで、ホントなんでもないの!まったくもう…」 無理やり自分で話を終わらせた。 しかし、依然順平はニヤニヤした顔のままだった。 「…じゃ、私は弓道部の用事あるから行くけど、変なウワサ広めないでよ…?」 そういってゆかりはやれやれといった感じで教室から出て行った。 空も、未だに一人で騒いでいる順平を一瞥し、視線で勘違いだということを主張した。 その視線を受けた順平はそのまま固まり、空の有無を言わせない視線に恐怖を覚えた。 それを確認した空はそのまま帰路についた。
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