“心の仮面”

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放課後―― 今日の授業がすべて終わった。 用事もないので寮に帰ろうと荷物をまとめて席を立つと、教室のドアで順平とゆかりが話しているのが見えた。 「現代文の時間、空ひどくなかったか?」 「あれはあんたが先生の話聞いてなかったのが悪いでしょ。自業自得よ、自業自得」 どうやら今日のいたずらについて順平が文句を言っているようだ。 空は二人に近づいた。 「よお、間違い王」 「お前が言ってんじゃねー! あの先生ヒステリー入ってるんだから勘弁してくれよ」 冗談じゃないといった感じで順平はため息をつく。 「あ、緋山くん、お疲れさま。 …だいたい、あんたが寝なかったら済んだ話でしょーが! 人のせいばっかにしてんじゃないの」 「う…悪かったよ!」 「分かればよろしい。じゃ、私もう帰るね」 そう言ってゆかりは教室を出て行った。 残ったのは空と順平。 「それじゃ、俺は帰るけど、順平は?」 口を開いたのは空だった。 「お、俺はまだ用事があるからな」 そうか、と言って空は教室のドアをくぐって帰路についた。
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