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大浴場に着くと、俺たちは男湯へ
梨花は女湯へと別れて入る。
「いやー、やっぱ梨花ちゃんそそりますねぇ…今夜はマジで俺頑張っちゃおうかな」
「…あっそ」
言いたい事だけ言って、チャラ男の近藤はまるでカラスの行水のように、サッサと風呂から出て行った。
俺は久々に浸かる温泉に、疲れを癒してゆっくりと風呂から上がる。
浴衣に着替えてから、男湯の脱衣所から出ると、ちょうど女湯から出て来た梨花と目が合った。
「あ、河村さん」
「あ…」
「結構ゆっくり浸かって来たんですね」
「うん…疲れてたからね」
湯上りの梨花は、軽く火照って赤くなった頬がさっきよりも益々色っぽくて俺の心臓を鷲掴みする。
黙ってたまま二人で並んで歩き出す。
ふいに梨花が足を止め俺をじっと見上げたので、俺はドキドキしながら足を止め梨花を見下ろした。
「…なに?」
「河村さんて結構女の人、トラックに乗せるんですか?」
いきなり急所を突いて来る梨花の言葉に俺は固まった。
「…え?」
「いや、だってこの会社に入ってすぐに女の人乗せてたでしょ?
私、見ちゃったし…」
そう言いながら、ニヤニヤと笑う梨花。
俺はなぜかムキになって否定した。
「いや!あれは近藤が勝手にナンパして!」
言いながら俺は、ハッとした。
何でこの女に言い訳してるんだ俺は…。
「…うふふ…お盛んなんですね」
ニマニマ笑いながら言う梨花にムっとした。
「俺…女とか本気で好きになる事ないから」
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