4430人が本棚に入れています
本棚に追加
月曜日は朝からいつもの倉庫で、シリアルを満載に積む仕事だった。
けだるい気分で俺は倉庫に向かった。
ウイングを開けて、荷台にある荷物締めのラッシングベルトを隅に寄せる。
フォークリフトが荷物を運んで来るのを待っていると、交友会社のトラックが積み込みに入って来た。
俺がぼーっとそのトラックを眺めていると、まだおろして間もない新車のトラックから降りて来たのは、長い髪を赤く染めたちっこい女だった。
最近、やたら増えた流行りの姫トラッカーってやつだ。
女のくせにトラックなんか転がして、たいして仕事も出来ないくせにエラそうにしてる、俺が一番嫌いな人種。
交友会社ってだけあって、その会社の運転手とは何人か交流はあったけど、この女は初めて見た。
トラックを止めると、その女もウイングを開けるためにアオリのフックを外し出した。
…でもちっこい身長で届かないのか、ピョコピョコとジャンプしながらフックを外している。
…やっぱ女は使えねぇ…
そう思いながらその女を見ていると、ふとその女が不機嫌そうに俺を見た。
…なんだよ…
少しムっとしたが、交友会社って事もあるし、一応俺はニコっと笑って頭をコクリと下げた。
するとその女は挨拶も返さずにウイングを開けていた。
…無視かよ…
やっぱり俺はこの姫トラッカーとやらいう生き物は嫌いだ。
こんな色男の挨拶を無視するなんて、よほどのバカ女だ。
俺は運ばれて来たパレットいっぱいに積み上げられたシリアルを、荷台に積み始めた。
最初のコメントを投稿しよう!