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「まったく、剣士としてはよく鍛えた肉体だと言ったんじゃよ」
「は、はぁ……」
「然し、お前さんは魔法も使うのかの? 魔力の流れが整い過ぎとる」
「っ!」
ユートは驚愕する。
正にリュナンの言う通り魔法も使えるからだ。
尤も、それはクリスと『天醒』をした時に限定される訳だが……
というよりも、ユートは様々な武器を使い熟さねばならない。
今後出逢うであろう戦姫達が果たして、どんな武姫(プリンセリーナ)なのかは判らないが、クリスからの情報で同じ物が重複はしないという事らしい。
シーナが刀。
クリスが杖。
ならば残る十一人は?
武器の種類から推測は可能だ。
大剣、片手剣、槍、弓、戦輪、挙げれみればキリがないだろう。
一応、一度でも手にすれば扱い方が頭の中にインストールされて、肉体を無理矢理に動かしてくれるという話だが、それをやられると必ず肉体に無理が生じ、筋断裂──所謂処の筋肉痛という激痛に苛まれる。
今の内にも少しずつ他の武器の扱いを覚え、肉体を無理なく動かせる様にした方が良いのかも知れない、ユートはそう考えた。
「ふうむ、ユートとか呼ばれておったか、お前さんに扱える武器は今の処、この店には無いのぉ……」
「へ? 無い?」
「お前さんの肉付きから、得物は引き斬るタイプ……ウチの武器は全てが叩き斬るタイプなんじゃよ」
刀と剣。
似たような武器であっても扱い方はまるで違う。
そして、リュナンの店には刀が置かれてはいなかったらしい。
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