第1話:終業式

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「その人馬族を滅ぼしてしまった種族とは、【魔人族(シルヴェン)】です」 「【魔人族(シルヴェン)】って、じゃあその種族は敵って事なのか?」 「一概にはそうとも言えません。先程も言いました、彼ら魔人族はそも、霊人族から生まれたのですから」  魔人族と呼ばれる種族は元々が霊人族。  それは庶人達は兎も角、各国の首脳は本来であれば知っていなければならない事実、だけど失伝によってそれは最早伝わってない。  その事実を聞かされて、ユートもシーナも驚愕して動揺を隠せないでいた。 「な……何で俺達がそんな一種族を滅ぼす様な、凶悪な種族になるんだよ!?」 「覚えていますか? あのシーナさん誘拐事件を」 「そりゃ……」 「忘れたくても忘れられないよ」  二人は苦い表情になる。  元学院の講師の二人組がシーナを下手に扱き下ろしたのが原因で、懲戒免職を喰らってしまった。  元来であれば生徒を導くのが仕事であり本分だというのに、学院からの放逐を謳ったが故の自業自得。  それを逆恨みしてシーナを誘拐したのだ。  ユートがクリスと、講師の一人であるクラン・トキモリを伴って、拉致されたであろう場所のボウズ山まで行くと、魔素に充てられた元講師の二人が融合し、魔獣と化してしまった。  魔獣となった元講師達は成り立てという事もあり、クランの卓越をした技能とユート達の天醒により斃す事に成功する。 「だけど、それが?」 「ユートさん。魔人族はですね、魔獣が更に魔素を喰らい脱皮……いえ、進化をした姿なんですよ」 「っ!?」  それは余りにも驚愕をするべき真実。
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