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「その人馬族を滅ぼしてしまった種族とは、【魔人族(シルヴェン)】です」
「【魔人族(シルヴェン)】って、じゃあその種族は敵って事なのか?」
「一概にはそうとも言えません。先程も言いました、彼ら魔人族はそも、霊人族から生まれたのですから」
魔人族と呼ばれる種族は元々が霊人族。
それは庶人達は兎も角、各国の首脳は本来であれば知っていなければならない事実、だけど失伝によってそれは最早伝わってない。
その事実を聞かされて、ユートもシーナも驚愕して動揺を隠せないでいた。
「な……何で俺達がそんな一種族を滅ぼす様な、凶悪な種族になるんだよ!?」
「覚えていますか? あのシーナさん誘拐事件を」
「そりゃ……」
「忘れたくても忘れられないよ」
二人は苦い表情になる。
元学院の講師の二人組がシーナを下手に扱き下ろしたのが原因で、懲戒免職を喰らってしまった。
元来であれば生徒を導くのが仕事であり本分だというのに、学院からの放逐を謳ったが故の自業自得。
それを逆恨みしてシーナを誘拐したのだ。
ユートがクリスと、講師の一人であるクラン・トキモリを伴って、拉致されたであろう場所のボウズ山まで行くと、魔素に充てられた元講師の二人が融合し、魔獣と化してしまった。
魔獣となった元講師達は成り立てという事もあり、クランの卓越をした技能とユート達の天醒により斃す事に成功する。
「だけど、それが?」
「ユートさん。魔人族はですね、魔獣が更に魔素を喰らい脱皮……いえ、進化をした姿なんですよ」
「っ!?」
それは余りにも驚愕をするべき真実。
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