第0話:星神と使徒

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「神とはいえ、随分と都合よく操ってくれるものだ」  クランは不快感も露わに眉根を顰める。 「そのくらいしなければ、ユートはまともに動いてくれそうにありませんから」 「まあ、良いさ。で?」 「何です?」 「よもや、俺を呼んだのは新しい神徒の感想を聞く為だけじゃないだろうに」  本題に入れと責っ付く。 「本当につれない」  溜息を吐いた。  星神(ワールド・オーダー)と星騎士(ワールド・ガーディアン)──現実的な見方をするならば、謂わば上司と部下である。  だけど、人間の世界のそれとは少し趣きが異なり、星神が生粋の神であるのに対して、星騎士は人間そのものか人間上がりの神。  考え方には当然ながら、ある程度の齟齬が生じる事もある。  それ故に、星神が星騎士を気に掛けて仲良くしたいと考えてはいても、星騎士の方が星神を嫌う乃至は、避ける傾向にあった。  実際に、クランは殊更に彼女を嫌ってはいないが、やはり避けている。  意見が食い違う。  見解の相違。  心が在り、知恵を持つならそれは当たり前にある。  だが生まれ付いて神をしている星神アーシエルと、人間である星騎士は生まれと育ちが異なる事もあり、それが決定的な隔たりとなっていた。 「用事というのは他でもありませんが、貴方の捜している者が見付かりました」 「っ! なん……だって? それは本当か!」  クランは驚愕をし、目を見開いて食い付いた。
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