第0話:星神と使徒

5/6
565人が本棚に入れています
本棚に追加
/70ページ
「先日見付かった彼の者ですが、我が友たるガイナスティアの神徒をしているらしいです」 「ガイナスティア?」  星神(ワールドオーダー)は秩序を護る調停者。  然れど、その力を世界に対しては使えないが故に、その為の星騎士である。 「貴方が捜す魂と魂で繋がりを持つ兄弟達。私が世界へと送った戦姫と同じ様な繋がり。蒼き騎士の四人の仲間の一人……」  クランはずっと、ずっと捜し続けていた。何処に居るとも知れないし、本当に存在するかどうかも判らない者を、そんな兄弟を。 「朱き騎士は、ガイナスティアの世界で確かに見付けました。ガイナスティア自身の証言もあります」  クランは歓びにうち震えそして涙を流す。 「初めて貴女に感謝の念を感じたよ、アーシア」 「哀しい事を言ってくれますね。泣いても良いでしょうか?」 「慰めないけどな」 「シクシク……」 「いや、まあ……冗談だからさ」  行き成りマジ泣きを始めてくれたアーシアを見て、クランも流石に慌てた。 「休暇を取って会いに行くかな。となると、ユート達の面倒は見れないか……」  其処が不安と云えば不安な処。 「大丈夫でしょう。クリスも居ますから、無茶だけはしないと思いますよ」 「フォルディア……か」  フォルディア王国の第二王女、それは魔法王女なんて呼ばれる少女。  確かに、彼女は実戦経験も豊富であり、思慮深い部分がある。
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!