第0話:星神と使徒

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 それでも未熟である事は否めない訳だが、ユートとシーナだけにするよりは、未だしもマシだろう。 「そう言えば、巫女とされる者は全て前世での自殺者だと聴くが、シーナは判ったとしてクリスは何故?」  自殺の理由などは色々とあるのだろうが、クリスは人生を楽しんでいる様にも見受けられた。  前世の記憶を持ちつつ、自殺者が明るく生きられるものだろうか?  シーナも気にしていない様にも見えて、トラウマが確りと残っている。 「あの子も決して吹っ切れている訳ではないわ」 「だとすれば、今生の生き様こそがそれを解明出来るヒントか」 「そうね、そしてそれを解決するのは装主(ロード)であるユートですよ」 「……そうだな」  冒険のアドバイスなら、経験談から幾らでも与えてやれる。  だが、戦姫のケアは装主がやるしかない。  暗中模索していく中で、五里霧中に悩み迷う事も在るだろうが、ユートと仲間達とで解決せねば先へと進む事も侭ならないのだ。  そしてそれは…… 「ま、俺も通った道だな。解決に至ったかは兎も角」  クランにも云える事。 「そうですね」  それならば、ユート達が越えられない道理は無い。 「さて、そろそろ地上に戻るよ。学長に挨拶をしてくるから、星神ガイナスティアの時空樹に行くゲートを開いておいてくれ」 「判りました」  これにより今回のユート達は、冒険にクランのアドバイスや助力は受けられない流れとなる。  直面するであろう困難、それにユート達は正真正銘の三人で立ち向かう事となるのであった。  新たなる仲間を迎えつつ……
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