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それでも未熟である事は否めない訳だが、ユートとシーナだけにするよりは、未だしもマシだろう。
「そう言えば、巫女とされる者は全て前世での自殺者だと聴くが、シーナは判ったとしてクリスは何故?」
自殺の理由などは色々とあるのだろうが、クリスは人生を楽しんでいる様にも見受けられた。
前世の記憶を持ちつつ、自殺者が明るく生きられるものだろうか?
シーナも気にしていない様にも見えて、トラウマが確りと残っている。
「あの子も決して吹っ切れている訳ではないわ」
「だとすれば、今生の生き様こそがそれを解明出来るヒントか」
「そうね、そしてそれを解決するのは装主(ロード)であるユートですよ」
「……そうだな」
冒険のアドバイスなら、経験談から幾らでも与えてやれる。
だが、戦姫のケアは装主がやるしかない。
暗中模索していく中で、五里霧中に悩み迷う事も在るだろうが、ユートと仲間達とで解決せねば先へと進む事も侭ならないのだ。
そしてそれは……
「ま、俺も通った道だな。解決に至ったかは兎も角」
クランにも云える事。
「そうですね」
それならば、ユート達が越えられない道理は無い。
「さて、そろそろ地上に戻るよ。学長に挨拶をしてくるから、星神ガイナスティアの時空樹に行くゲートを開いておいてくれ」
「判りました」
これにより今回のユート達は、冒険にクランのアドバイスや助力は受けられない流れとなる。
直面するであろう困難、それにユート達は正真正銘の三人で立ち向かう事となるのであった。
新たなる仲間を迎えつつ……
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